第23章 今こそ別れめ、いざさらば
「相澤先生かー、た、頼りがいあるのかな?」
「えっ、女子的には違うの!?」
「いや、戦ってる時は確かにかっこいいんやけど…デートの後とか、絶対最後まで見送ってくれなさそう」
「そもそも相澤先生ってデート行くのかな…?」
「待ってくれ、見送ることは頼りがいと直結するのか?」
「するよ!包容力なんやぜ!」
「えっ、なんやぜって何?何語!?」
「包容力…」
「現地解散とかされそうなイメージ。なんかそもそも…デートすら時間の無駄って言われそう」
「そうかな?僕は相澤先生って…なんていうか、厳しそうだけど、一度好きになったらもう周り見えないってイメージかな。色々と理由作って、声かけてそう!」
「うはぁそれはギャップやーたまらん!!」
「麗日くん、どんどん口調が中年男性のものへと変化しているぞ!」
「だからさ意外と、好きな人の帰ってく背中ずっと見てるタイプじゃないかな!?」
「ギャップやーー!!悶えるー!!!」
「でも案外、かっちゃんも頼りがいはあるかもよ?ちょっと騒がしいけど…」
「爆豪くんはわかりやすいよね!深晴ちゃんのこと好きなの丸わかりっていうか、もうあれはそうとしか思えない!あぁーいつなん!?いつ、もう一歩踏み出すのかなぁ!」
盛り上がる2人の会話に、僕は一瞬動揺した。
そして、食器を返してくる!と宣言して、席を立った。
(……そんなわけ、ないだろう。教師と生徒、15歳差だぞ…!)
相澤先生にその気がなくとも、向くんはどうなんだろう?
彼女がUSJで、悲痛な叫びをあげた理由は?
爆豪くんはそういう目的で向くんを連れ回しているのだろうか?
だから名前も特別に覚えた?
いや、そんなことどうだっていい。
僕が向くんの観察を始めた理由は、敵意識のようなものでしかないのだから。
(大丈夫だ)
一体何が。
(そういうんじゃない)
大丈夫。
(そんなんじゃない…!)
絶対に違う。
そんなわけ、ない