第19章 布石に定石
緑谷の雄叫びを遠くで聴きながら。
爆豪は、1組の騎馬と向き合っていた。
「宣誓で何て言ってたっけ…恥ずかしいやつ…えー…」
俺が一位になる。
「まあいいや、おつかれ!」
ーーー見てろ。
(……クソが…!)
ーーーごめん勝己、私出久と組む
(クソが……!!)
<<爆豪チーム2本奪取で3位に!!この終盤で順位が変わりゆく!!若気の至りだあ!!>>
ーーーあれ、爆豪向呼びに行ったんじゃねえの?え、緑谷と組むって?あー、まぁしゃーなしっつーかさ。だってほら、なんか知らないけど
向、緑谷気に入ってるじゃん
(………ックソ、クソックソクソ!!!)
「まだだ!!」
「はあ!?」
「完膚なきまでの1位なんだよ取るのは!!さっきの俺単騎じゃふん張りが効かねえ、行け!!俺らのPも取り返して、1000万へ行く!!」
なんでデクばっかり
俺を見ろ
<<爆豪、容赦なしー!!やるなら徹底!彼はアレだな、完璧主義だな!さぁさぁ時間ももうわずか!!>>
ーーーかっこいい
「次!!デクと轟んとこだ!!」
ーーー出久は予選で勝己より上だし
ふざけんじゃねえ
<<10!!9!!8!!7!!>>
ふざけてんじゃねえよ
<<6!!5!!4!!3!!2!!>>
てめェは
<<1!!>>
俺だけ見てりゃいいんだよ
「…ックソがああああ!!!」
<<TIMEUPーーーーー!!!!>>
向かい合い、攻防を続けていた緑谷・轟両チームが身体を震わせ、騎馬から飛び出してきていた爆豪が地面へと顔面から落下した。
<<早速上位4チーム見てみよか!!>>
次々とマイクによって勝ち残ったチームの名前が呼ばれていく。
1位轟チーム、2位爆豪チーム、3位心操チーム。