第19章 布石に定石
<<やはり狙われまくる1位と、猛追をしかけるA組の面々共に実力者揃い!現在の保持Pはどうなってるのか…!7分経過した現在のランクを見てみよう!!>>
マイクの解説により、会場の大画面に中間順位が発表された。
その結果に、会場全体がどよめいた。
<<………あら!!?>>
1緑谷チームA10000320p
2物間チームB1350p
3鉄哲チームB1125p
4拳藤チームB685p
5轟チームA615p
6鱗チームB195p
7爆豪チームA0p
8小大チームB0p
9角取チームB0p
10峰田チームA0p
11心操チームB0p
12葉隠チームA0p
<<ちょっと待てよコレ…!A組緑谷以外パッとしてねえ…ってか爆豪あれ…!?>>
『………………え。……勝己?』
マイクの言葉を聞き、向が一瞬、視線を中間発表へと向け、そのあと爆豪の騎馬へと移した。
「わわっ、深晴ちゃん私落ちてる!!」
『あっ、ごめん』
危うく麗日を地面と衝突させてしまいそうになり、慌てて向が雑念を頭から追い出す。
緑谷チームの落下地点を予測し、駆け寄ってきていた爆豪チームのハチマキを奪ったらしいB組の騎手が、どうやら爆豪に喧嘩をふっかけているような言葉が聞こえてくる。
「ヘドロ事件の被害者!今度参考に聞かせてよ。年に一度敵に襲われる気持ちってのをさ」
『…ヘドロ?』
「向さん後ろ!!」
『!!』
焦ったような緑谷の声を聞き、爆豪達の方へと意識がそれていた向が、即座に前方へのベクトルを構築、発動。
しかし一瞬遅れて、右後方から駆け寄ってきていた轟チームの騎馬、上鳴の射程圏内に入ってしまう。
「飯田、前進!」
「ああ!」
「八百万、ガードと伝導を準備」
「ええ!」
「上鳴は…」
「いいよわかってる!!しっかり防げよ…!」
無差別放電、130万V!!!
絶縁体シートで轟、八百万、飯田が放電を避け、周囲に群がってきていた騎馬達は電撃を浴び、足止めを食らう。
『ああぁあ!!!』
「向さん!」
「ダークシャドウ、向を庇え!!」
「アイヨ!」
ダークシャドウが壁になるまでの一瞬。
上鳴の放電に当たった向の思考がブレる。