第1章 出逢い
いきなりの発言だったのか、3人とも目を見開いてこっちを見た。
琥珀
「ちょ、ちょっと何言っちゃってんの珊瑚ちゃん!?」
珊瑚
「え、えっと。私はこんな力いらないんです…。記憶を消すとか…」
琥珀はワタワタしているが、紫黒はニヤリと笑った。
紫黒
「まぁ、記憶を消すっつー事はそいつが見てきたもの、経験してきたものを無くすって事だから、荷が重いわな。」
紫黒
「しかし、この力は運命だから俺らでもどうする事もできねーし」
珊瑚
「……運命…。」
私の事を見抜いたこの人でも無理なのだと絶望した…。私はこの力と一生付き合わなければならないんだと、再確認せざるおえない。
しかし、紫黒はしっかりと私の目を見てきて、私には理解しがたい事を言ってきた。
紫黒
「…でも、悪いことばかりじゃねーんじゃねーの?」
珊瑚
「…?それって、どういう…」
紫黒はパンッと手を鳴らし、私の言葉を止めた。