第8章 目覚
なんとか身仕度を終え、慌ててお店に出てくると その様子に驚いた桔梗が話しかけてきた。
桔梗
「どうした!何があった?」
__速く_速く___
珊瑚
「弟が……!弟が居ない!びょ……病院から電話あって……!」
桔梗
「居ないって、眠ったままだったんだろ!?」
__速く速く速く__
珊瑚
「うん……そう眠ってた……!でも居ないの……!」
桔梗
「三年も眠ってた奴が すぐに動けねーだろ!?」
珊瑚
「でも行かなきゃ……!行かなきゃ!!」
気が動転したまま飛び出そうとすると、桔梗は珊瑚の腕を掴み無理矢理向かせた。
珊瑚
「ちょ!ききょ……!」
物凄い形相で 珊瑚を睨み付け
桔梗
「俺の目を見ろ!!!」
桔梗の怒鳴り声に体がビクッと震えた。
___視点が_合う。
私は今まで何処を見てた……?何を言っていた……?記憶がない。
桔梗は珊瑚の顔を見て、安堵のため息をつく。