第5章 悪夢
紫黒
「桔梗と珊瑚は、変わったことは無いか?」
まるで睨んでいるかのような顔で二人を見てきて、一瞬で張つめた空気にしてしまう。
桔梗
「いえ、特には……。」
桔梗はいつも通り平然としているが、私はこの空気に耐えるので必至で手が震えだす。いくら擦り合わせても止まらない。
紫黒はそんな私を見て、ポンと頭に手を置いてきてニカッと笑った。
紫黒
「珊瑚はどうだ…?」
その笑顔を見ると次第に緊張感がなくなり、さっきまでの手の震えが嘘のように治まってくる。
珊瑚
「あの、ちょっとだけ気になる事がありまして……」
紫黒の眉がピクッと上がったのを見たが、そのまま話を進めた。