第5章 悪夢
珊瑚
「この頃、力が大きくなってきてるような気がするんです……。」
紫黒
「…力が?」
一瞬眉間にシワを寄せたが、さっきまでの威圧感はない。きっと、私の為に抑えてくれているのだろう。
紫黒
「包帯してても光が見えるようになったのか?」
珊瑚
「い、いえ!それはありません!!」
手をブンブンと振って否定する。
珊瑚
「あ!でも、私の思い違いかも知れませんし!」
頭をポリポリ掻きながら冗談っぽく言うが、紫黒は顎に手を添えて考えだしてしまった。
紫黒
「……よし。わかった。また何かあったら教えてくれ。」
そう言って裏へと入っていく紫黒を見届けると、琥珀と珊瑚は深いため息をつきカウンターに倒れ込んだ。