第1章 宮侑side
北
「梟谷勝ちましたよ」
「そうかい。それはよかった」
北
「今日は彼らを観に来たんですか?」
「まぁそれもあるけど、いろんな奴らから観に来いって言われていてね」
まいったまいったと笑う彼女はほんとに綺麗だった。
「あ、君達もどこかの高校なんだろ?」
侑
「そうやで」
「どこの高校か教えてくれないかい?」
北
「兵庫県の稲荷崎高校って言います」
「稲荷崎ね。覚えておくよ。ほんとにありがとうね」
彼女は席を立ち杖をついて歩いて行こうとした。
侑
「送ってくか?」
何を言ってるんや俺は
「ありがとう。でも私は大丈夫」
彼女は俺らに頭を下げどこかに去っていった。
治
「綺麗な人やったな…」
角名
「うん。なんかいろいろ学んだかも」
北
「あの人は凄い人なんやろうな」
治
「てか何歳やろ」
角名
「年上…かな?」
チームメイトがそんな会話をしている中ずっと彼女のことが気になっていた。