第1章 宮侑side
北
「梟谷とは知り合いなんですか?」
「知り合いというか…まぁ腐れ縁みたいなもん。他にもいるよ?たぶんこの会場にいる」
そうなんか…なんだか胸が痛い。
北
「試合始まりますよ」
タイムアウトが終わり試合が始まった。梟谷は一点差まで追いついたがなかなか追い越せない。梟谷もなんだか空気が重い。
これ負けるんちゃう……?
「あいつら負けてんのか」
彼女がポツリと言った。見えてないのにわかるんか。
その時梟谷のセッターが客席の方を見て誰かを探していた。
試合中やろ?誰探してるんや
「ふっ、もう私から卒業しろと言ったのに」
彼女はそう言うと付けていたサングラスを外した。
目を瞑っている彼女。その姿だけでも美しかった。
そしてゆっくりと目を開けるとスプレー・グリーン色の綺麗な目をしていた。
俺らは彼女の美しさに見惚れていた。
梟谷のセッターはこの何百といる客席の中からすぐに彼女を見つけ微笑んだ。その時彼女も微笑んでいた。
その後梟谷は逆転をし勝利を収めた。