第1章 宮侑side
侑「なぁあんた」
女は俺の問いを無視している。こいつ!と思ったが目が見えないのなら仕方ないのか。肩を叩きもう一度声をかける。
「なんだい??」
侑「あんた目見えないんか?」
治
「侑……それ聞いちゃいけへんのちゃう?」
角名
「デリカシーなさすぎ」
北
「侑……お前」
なんだか全員から冷たい目で見られてるんやけど
「あぁいいよいいよ。そっ私目見えないの」
侑
「見えないのになんで来たん?」
「来ちゃダメなの?」
侑
「あっいや、試合とかいろいろ見れへんやん。おもろくないやろ?」
「まぁ確かに見えないけど…ちゃんと聞こえてるから」
侑
「音だけ聞いたってよくわからんやろ?」
「ふふ。そうかもね。でもちゃんとわかるよ。スパイクの音、ブロックの音、掛け声、応援の声、全部ちゃんと聞こえてる。私にはそれだけで十分なんだよ」
侑
「………………」
「目で見えてるものが全てじゃない。音もそうだけど心で感じているから見えないけど楽しいしわくわくするのさ」
彼女は見えないというのに楽しそうだ。