第5章 佐久早side
試合が終わり会場をウロウロしていた時ふと目に入った光景
梟谷のセッターとサングラスに杖をついた女が話している。その女に見覚えがあった。
足が動き2人に近づき声をかける
「その声は…佐久早かい?」
すぐ気づいてくれる彼女
彼女の腕を握りしめる
「赤葦ちょっと待っていておくれ」
梟谷のセッターと少し離れたところに足を運ぶ。
佐久早
「来てたんなら連絡しろよ」
「サプライズ登場の方が嬉しいだろ?」
ニコっと笑う彼女につられて少し頰が緩む
「お前強くなったんだってね。全国で3本の指に入ってるんだって?凄いじゃないか」
佐久早
「別に…そんな凄くない」
「相変わらず素直じゃないねぇ」
佐久早
「お前は…いつまでいるつもりなの」
「一応最後までいるつもりだよ?お前らの成長した姿見たいしね」
佐久早
「ふ〜ん…」
素っ気ない態度をとってしまうけどほんとはめちゃくちゃ嬉しい。彼女に会ったのは久しぶりだし来てほしいとも頼んでいた。来てくれただけでも嬉しいのにこうして話せているのだからほんとに幸せだ。
古森
「あ、いたいた。佐久早ミーティングあるから行くよ」
佐久早
「めんどい…パス」
「こら、ちゃんと出なきゃダメだろ?私のことはいいから早く行ってやれ」
ほんとは離れたくないけど彼女が言うのなら…
佐久早
「わかった」
彼女を抱きしめ耳元で
佐久早
「絶対優勝するからちゃんと俺のこと見てろ」