第6章 赤葦side3
「赤葦待たせたね」
赤葦
「いえ、大丈夫です」
彼女はいろんな人と知り合いだ。今日来たのだって俺に頼まれたからだけではないはず。きっと大勢の人が彼女を呼んだ。彼女に会いたいと思ってるだろう。
そして彼女のために勝つと
赤葦
「目は少しは見えるんですか?」
「そうだねぇ、前までは少しは見えていたけどもう完全に何も見えなくなったよ」
赤葦
「そうですか…」
「でもちゃんとわかる。赤葦、お前はいい男になったね」
彼女の手が俺の頰に触れた。その手を握り
赤葦
「何年経ったと思うんですか。俺も変わりますよ」
「ふふ、そうだね。でも中身は全く変わってないよ?」
赤葦
「え?」