【ハイキュー】駒鳥が啼く頃、鐘は鳴る【木兎&赤葦】
第5章 菊合
苔むした木々が鬱蒼と茂る、深い深い森。
暗闇の世界において、梟は生態系の頂点に君臨する。
音もなく広げる翼、その鋭いかぎ爪でとらえられた生き物は覚悟しなければならない。
絶対に訪れる死を───
「ああ・・・ッ!! いっ・・・いい!!」
梟は冷たい瞳で見下ろしていた。
涎を垂らしながら善がる獲物をどう喰ってやろうか、と考えながら。
「あああ、もう焦らさないでぇ・・・! あかあし、あかあし!!」
はしたなく自ら股を大きく広げ、若い男の陰茎を美味そうに咥えこむ女の嬌声は、決して薄くはない壁の向こうの部屋にまで聞こえるほど。
硬く脈打つ赤葦の男根は容易に、夫との営みが途絶えて久しい女を絶望的な快楽の渦へと突き落とす。
「あああっ・・・く、来る・・・あ、ああ・・・!」
秋も深まったというのに、カーテンを閉め切った部屋は湿気が充満していた。
女がきつい匂いのする愛液を吹き出しながら果てると、赤葦はズルリと自身を引き抜き、まだ怒張したままのそれを今度は相手の口に捻じ込んだ。
「んぅ・・・うん・・・美味しい・・・」
三十も年上の女の舌使いは、筋肉が衰えて締まりのなくなった膣と比べればずっと良い。
赤葦が自分に興奮していると勘違いしているのか、嬉々として喉の奥まで飲み込みながら出し入れしている。
赤葦はフウとため息を吐くと、望み通りに白濁としたものを吐き出してやった。
「んっ・・・濃くて喉に張り付いてくる・・・赤葦、もっとちょうだい」
「その前に、答えていただきたい質問があります」
「質問・・・?」
女は涎と精液まみれの顔で赤葦を見上げた。
すっかりと化粧が剥がれ落ちて面影が無くなっているが、それは夜会で日美子の陰口を叩いていた牛島夫人の取り巻きの一人。
鼠色の着物を着ていた婦人だった。