第3章 金平糖
「美味しい!」
次々と手に取ってしまう金平糖。
甘いものには、目がないのです。
「君、本当に美味しそうに食べるんだね。」
「はいっ!」
「君にあげて良かったよ。僕の好物なんだ。」
「そうだったのですか!ありがとうございます。」
沖田さんの浮かべる微笑みに、疲れさえも吹き飛ぶ思いだった。
ある程度…………いや、結局金平糖を全部頂いたところで、私は立ち上がった。
「美味しい金平糖もいだたいたのでそろそろお仕事にもどりますね。本当にありがとうございます!沖田さん。」
「うーん…。ねぇ、その沖田さんってやめにしない?慣れないんだよね。」
「では、総司さんでいいですか?」
「ま、沖田さんよりはいいかな。じゃ、頑張ってね。」
「はい!総司さんも!」
お互いに励まし合うと、沖田さんは素振りに、私は掃除へと戻っていった。
そうだ。姉さまに文を送ろう。
新選組の方たちは、みんないい人です、と。