第2章 お豆腐
夏蓮side
「で、何?この昼餉。」
「何、とは?」
昼餉のメニューを見てひきつった笑みを見せる沖田さんを横に、一さんはもくもくと食べていた。
顔がひきつっているのは沖田さんだけではなかった。
兄さまの話のあと、一人一人の名前を伺い、一さんと共に昼餉を作った私でさえも、
これでいいのかとちょっと不安になったもので…。
今日の昼餉のメニューは一さんが決めたもの。
・白米
・豆腐の味噌汁
・揚げ出し豆腐
・冷奴
・お魚
そう。豆腐だらけだった。
「夏蓮ちゃんも、不思議に思わなかったの?」
「不思議には思ったのですが…」
「まぁ…はじめてのメニュー決めだし、幹部の発言に口出しはできねぇよなぁ…」
沖田さんの質問に答えた私の心情を察するように言う永倉さんだが、
その表情は穏やかとは言えない…。
みんなしっかり食べたものの、
メニューは必ず…必ず私が考えるように、と主に兄さまからのお達しだった。