第6章 人間の醜いところ
―沖田SIDE
冗談交じりに、でも本気で言った言葉にお礼をいった夏蓮ちゃんは、直後に倒れた。
そっと額に触れると、とても熱い。
「あらら…。」
布団をしいてそこに寝かせると、僕はそっと部屋を出て冷たい水とてぬぐいを用意しに行った。
あのとき、なぜ彼女の部屋にあの子を投げ入れてしまったんだろう。
夏蓮ちゃんは、起きないと思ったんだけどなぁ。
「ん…、」
部屋に戻ると、苦しそうな表情を浮かべていた。
「よく、ずっと平然とした表情で話をきいていられたね。」
返事は期待していない。
その額に冷たいてぬぐいを乗せると、少しだけ、苦しそうな表情が和らいだ気がした。
そしてその場を後にして土方さんのところへ向かった。
報告は大事だからね。
土方さんの部屋には、一君もいた。
「一君もいたんだね。あまり長居はできないけど、ちょうどよかった。」
「…。夏蓮はどうした。」
不機嫌そうな土方さんと一君。
まぁ、それもそうか。僕が夏蓮ちゃんとっちゃったからね。