第21章 体育祭の時間。
放送『よーい、スタート!』
作戦通り動く。
まずは陽動。プラン触手!
私たちは、A組の騎馬がハチマキを掴む瞬間、後ろに下がり、態勢を崩させてハチマキを奪う!
やった!一騎ゲット!
続いて、撹乱。プラン音速!
私の騎馬以外二騎一組で、A組の騎馬を撹乱する。
が、学秀の指示で、ひなのの騎馬が囲まれ、ハチマキを奪われる。
が、カエデの騎馬は、A組の騎馬からハチマキを奪う。
これで4対6
次は、プラン粘液!
私たちは、1つのA組騎馬に狙いを定め、4騎馬で攻め入り、次々とハチマキを奪う!
いける!
その瞬間、学秀が乗る騎馬が、カエデと桃花、渚のハチマキを奪い取る。
やられた…。
私と学秀の睨み合いがはじまる…。
学秀『おとなしくハチマキを奪われたらどうだ?桃宮まぁ。』
『浅野君こそ、さっさとハチマキ渡してくれるかな?』
学秀『フッ、なら力づくで奪ってやろう。』
『やれるもんならねぇ。』
その瞬間、学秀が私に手を伸ばす。
早い…。ギリギリ左へ交わす。
下のみんながサポートしてくれる。
私も、学秀へ右手を伸ばす。が、手首を掴まれる。
と同時に私も学秀の右手を掴む。
学秀『僕に勝てるとでも思っているのか?』
『そうだよね…さすがに力比べじゃ負けちゃう…。だったら…』
私は意を決して、掴んだ学秀の右手を自分に引き寄せ、耳元へ顔を近づける。
『チェックメイト……ペロッ…。』
学秀の耳たぶを舐める。
この距離じゃ、周りの観客は何をしたのか見えていない。
学秀『なっ…!』
その一瞬をつき、私は学秀のハチマキを奪いとる。
放送『……A組が、負けた…。』
E組『やったー!!勝ったぞー!!』