第4章 【おきがえぬいセット第2弾発売祈願】菊丸英二/夢主
「そもそも、第2弾にラインナップされるかわかんないじゃん?お着替えヌイの売上が参考になるかもしんないし・・・」
オレの腕の中で幸せそうな顔をしていた璃音が、え!とその眉間にしわを寄せる。
英二くんのせいじゃないですか!、オレの腕の中からするりと抜け出し、そう頬をふくらませる。
「去年、英二くんのヌイ、たくさん買おうと思ったのに、英二くんがとめたから!予定通り買ってたらラインナップされたかもしれないのに!」
璃音、去年のこと、根に持ってたのね・・・
そんな所も可愛いけど、なんて思いながら、苦笑いで璃音の部屋から、オレのお着替えヌイを連れてくる。
ほら、いくらでも写真撮っていいよん、そうアイドルver.でポーズを取ると、え!そう璃音が目を輝かせる。
「本当にいいんですか!?・・・あ、いいえ、ダメです、家では英二くんにリラックスしていて欲しい・・・」
「そんなの気にしなくていいのに・・・璃音が喜ぶなら、オレなんだってしてあげるよん!」
ヌイとお揃いのウインクに、璃音が顔を真っ赤にさせる。
じゃ、じゃあ・・・1枚だけ・・・そう控えめに、携帯のシャッター音をカシャリと鳴らす。
「あ、あの、つぎはこの子でお願いします!」
結局、1枚では終わらずに、ヌイたち全員と一緒に写真を撮る羽目になったんだけど・・・
仕事でこれを要求されたら、多分、確実に文句言ってたと思うんだけど・・・
すみません、私ったら・・・、我に返って何度も謝る璃音に、本当に気にしなくていいから、そう繰り返す。
それでも納得いかない様子の璃音に、んーっと唇に指をあてて考える。