第4章 【おきがえぬいセット第2弾発売祈願】菊丸英二/夢主
「なんで、英二くんいないんですか!」
仕事を終えて、ただいまーとマンションに帰ると、目の前には携帯の画面をこちらに向ける璃音の不満げな顔。
いつも通り、ただいまのチューでお迎えして貰えると思ったのに、その不機嫌な様子に戸惑ってしまう。
なんでって・・・、そう不思議に思いながら覗いたディスプレイには、お着替えヌイと一緒をモチーフにしたグッズの紹介画面・・・
あぁ・・・これにはラインナップされなかったからね・・・、そう納得して璃音の不機嫌な理由にほっと胸をなでおろす。
「まぁ、こういうのは色々あんじゃん?大人の事情とか・・・」
「うー、それは分かりますけど、英二くんがいたって全然おかしくないのに・・・」
「そう言ってくれるのは嬉しいけどさ、好評だったら第2弾あるかもだし?」
ハッとして携帯を操作し始めた璃音に、ちょいまち!と慌てて声をかける。
璃音、今、片っ端から商品をカートに入れてるでしょ!?そう確認すると、え?、あ、はい、第2弾の為に頑張ります!って笑顔をむける。
いやいや、そんな理由で買わなくていいから!
だいたい、オレ以外のグッズ大量に買われるのも面白くないし!
「前も言ったけど、璃音が働いて稼いだお金だから何に使おうと自由だけど、必要ないものにお金使うのはダメでしょ!無駄遣いは子供たちの教育にも良くないよ!」
「う・・・でも、第2弾・・・ヌイと戯れる英二くん、欲しい・・・」
シュンとしてしまった璃音を微笑ましく眺める。
相変わらずのオレのこと大好きオーラに、嬉しくてその体をぎゅっと抱きしめる。