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【テニプリ】闇菊/番外編【R18】

第1章 【ビターチョコ】菊丸英二/夢主




「小宮山さん、すっかり遅くなってごめんなさいね、でも助かったわ。」
「いいえ、学級委員として当然ですから。」
「本当にいつもありがとう、気をつけて帰ってね。」
「はい、失礼します。」


担任の先生に、頼まれた仕事が終わったことを告げると、ぺこりと頭を下げて職員室を後にする。


何も考えるな。
何も感じるな。


心を無にして言われたことをこなすだけ・・・


「ね、チョコ、どうする?」
「今日、お店覗いてみようか?」


すれ違う女生徒の会話に思わず足を止める。
チョコ・・・?
あ、そうか・・・もうバレンタインなんだ・・・


気がつくともう2月上旬で・・・
女の子も男の子も、街中が浮き足立ってるこの季節・・・


「ね、誰にあげる?、私は英二!」


ピクっと揺れる肩。
ドキンと跳ねる心臓。


思わず振り返りそうになり、グッとその衝動をこらえる。


私には、関係ない。
バレンタインも、彼が誰からチョコをもらおうとも・・・


大きく息を吸うと、また心を無にして歩き出す。


そう、関係ない。
この気持ちを伝えるつもりなんかない。





ただひっそりと、彼のことを想うだけ____

















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