第2章 《番外編》 ※二人の初めての話※
「…涼太…くん?」
「うん?なーに?チサトっち」
涼太くんは分かってるはずなのにキラキラ宝石みたいな瞳でまるで分からないと言うように笑顔で聞き返してくる。
「えっと…何でこんなことになってるのかなーって」
何で…私、涼太くんに押し倒されてるんだろう。
えっとえっと…さっきまでテレビ観ながら普通にお話ししてたよね?
それが何故か一緒に座ってたソファーで涼太くんが覆い被さるようにして押し倒されていた。
「…あの、んっ!」窺うように涼太くんを見上げると、目の前に綺麗な顔が近付いてきて柔らかいものが唇に当たる。
突然のことに目を見開いていると少し目を細めて熱っぽく私を見つめている涼太くんと目が合った。
キスされてる。と認識した瞬間に恥ずかしくなってギュッと目を閉じると笑われてる雰囲気を感じる。
「…んっ」
息が苦しくなってきて涼太くんの胸を押すがバスケ部で鍛えられた彼の体はビクともしない。…どころか、後頭部に手を回わされ、より密着してくる。
涼太くんの舌がノックするように唇に当てられ、ビックリして思わず薄く唇を開く、クチュッと濡れた音がして隙間から涼太くんの舌が口腔内に挿入される
「んっ!んぅ…ふぅん」
上顎から歯列を丁寧に舌で刺激され、逃げるチサトの舌を逃さないよう優しく絡め取られる
「んぅ、りょ、太くん…苦し…」
「…はぁ…んっ、チサトっち、鼻で息して」
「んっ、ふっ…んんぅっ、ふっ…」
「ふっ、じょーず…かわい」
思わず漏れる熱い息と涼太くんの色っぽい声
黄瀬が一旦、唇を離すと二人の間を名残惜しそうに繋いでいた銀糸がプツンと切れる
「…ふぁ」トロンと蕩けた顔を向けるチサトの唇にチュッとリップ音をさせながら、黄瀬はもう一度キスをする