第1章 黄色さん
二宮サイド
あー。どうしよ。
あまり外に出ないわたしが、
なぜデパートにいるかって?
そりゃあね。
もうすぐホワイトデーですから。
あ。これも可愛い。
あいつに似合いそう…。
店員「プレゼントですか?」
「…あー、まあ。」
話しかけられちゃったよ。
ま、そりゃそうか。
付き合って1ヶ月。
指輪は…重いか。
妥当なのは…ブレスレット?
店員「こちら、お出ししましょうか?」
「あー、はい。」
ケースから出された物は、
やっぱあいつに似合いそうだった。
「これにします。あ、もちろん…」
店員「プレゼント用ですね?
かしこまりました。」
なんだろ、もう。
今すぐに渡して、
の反応を見たい…。
でもホワイトデーはもう少し先だ。
我慢我慢。
いや、我慢出来るのか?俺。
アクセサリー店の袋を持って、
ちょっと恥ずかしいけど。
でも、君の笑顔が見たいから。
今日の用事はこれにて終了。
よし。家帰ってマジックの練習でもしよ。