第1章 カタオモイ
火曜日の放課後。
部活が終わると潔子先輩と私はみんなにバレないように普通を装って帰った。
場所は潔子先輩のお家。
学校から近いのでお邪魔することになった。
買い物は、島田マートで潔子先輩が済ませてくれていた。
もちろん、割り勘ですよ。
私がリビングで支度をしていると潔子先輩が二階から降りてきた。
あぁ、潔子先輩のエプロン姿。
西ノ谷先輩と田中先輩には、見たことは内緒にしよう…。
「さ、作ろっか。春華ちゃん、まずはチョコ溶かそう。」
「はーい!」
言われた通りに一緒にチョコを溶かしていくけど…
昨日の電話で話した時の予定よりも多い気がする…
「あ、言うの忘れてたけど、月島の分は別でつくってあげてね。そのぶん、余分にチョコ買ってあるから。」
「えっ!?」
「簡単だから、生チョコの材料用意してあるからね。」
「えーっ!?」
と、驚きつつも作ってしまいました。
全部並べてみると…
…まって、みんなのはチョコを溶かすでしょ、カップに入れるでしょ?
それで、トッピングしておしまいなのに…
サイズ感もラッピングも一つだけ輝いてるよ!
これをみんながいるときに渡したら…うーん。
渡し方、考えようっと…。