第6章 素直なキモチ
家に帰って冷蔵庫を開ければ、
しっとり冷やされたチョコレートケーキ。
春華「うん、いい感じ」
カットをして、粉糖を振りかければ、そんな感じに見える。
これらを包んでしまえば、もう終わりだ。
これらは男子バレー部へのチョコレートケーキ。
なるべく綺麗に見えるようにラッピングをして紙袋につめていく。
春華「どーせ、みんなは大量にもらうんだろうけど」
こういう機会がなければ、改めてみんなに何かを渡すことなんてないから
と思い作業を続けていく。
すべてが終わったあと、冷蔵庫に詰められていた材料のことを思い出す。
お風呂上がりの妹がリビングに入ってきた。
「お姉ちゃん、また作るの?部員多いと大変だねぇ」
春華「あぁ、うん。静かに作業するから、寝てていいよ。
おやすみ」
おやすみーと帰ってくる返事を流して、私はまたお菓子を作り始めた。