第6章 素直なキモチ
雪「ほら、ここ。解き方違ってたかも!」
春華「あー、難しかったもんね!」
テスト期間の最終日。
部活に向かいながら友達と答え合わせをしていた。
花「春華ちゃん、お疲れさん」
春華「は、花巻さん!?
驚かさないでくださいよ〜」
後ろから抱きつくようにして
私を脅かしてきた人はこの人は部活の先輩である。
花「ごめんごめん、お詫びはチョコな」
驚いて半開きの口に押し込まれた
甘くてとろけるチョコレート。
花「一日早えーけど、許してな」
そうだ、明日はバレンタインデーだ。
最も青城バレー部の活動場所である第一体育館が賑わう1日である。
というか…
春華「花巻さん、めっちゃこのチョコレート美味しいです!
ありがとうございます!」
花「明日、期待してっからな。
勿論本命で♡」
ポンポンと頭を撫でて、からかうように笑いながら一足先に体育館へ向かう花巻さん。
その後ろ姿を見送れば、クラスメイトの雪ちゃんがポツリ一言。
雪「春華って、マネージャーだけど本命いないの?」
春華「え!?」
雪「あんなにイケメンな先輩方に囲まれて生活してたら
1人くらいいるでしょ」
春華「バカ、そういう不純な動機でマネやってるんじゃないの!」
そりゃ、初めはああいうスキンシップにドキドキはしてたけど、
一年も経てばもう慣れる。
雪「ふーん、そういうことにしときますか。
んじゃ、部活頑張ってね」
昇降口で友達と別れ
明日、ちょっと考えなきゃな、と何となく考えつつ、私も体育館へ向かった。