第4章 憧れの先輩。
さて、バレンタインデー当日。
作ったチョコレートは簡単に、カップの型にチョコを流してトッピングしただけのもの。
よし!
潔子先輩に‘ありがとうございます’と伝えたい!
そんなこんなで部活前。
いつも通り、更衣室で着替えていると潔子先輩が入ってきた。
チャンス!
と、思いつつ…
潔子先輩は着替えているのでまだ渡せない。
ジャージから顔をだし、バサッと髪を整える。
なんとお美しい。
「春華ちゃん。先行ってるね。」
「あ、はい!今すぐ行きます!」
バタン………
………………………
しまったああああ!!!!
つい、つい見とれていたら…
潔子先輩が行ってしまった……
くそぅ…
でも、落ち込んでいる場合ではない。
いつも持ち歩いている飲み物とタオルが入った小さいバックに、潔子先輩に渡すチョコを入れて私も部活へと向かった。
部活中も、チョコを渡そうか考えては潔子先輩をチラチラ盗み見ていた。
でも、みんな頑張っている最中に私用なんてダメ。
と、言い聞かせて頑張った。