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【イケメン王宮】花冠

第13章 -悪循環 [R-18]







今、自分が何処にいるか分からない。
ボロボロ泣きながら ひたすら走ってきた。
ドレスのままで鐙を蹴り 走ってきた…。

当たりは、既に暗くなってきていて 比較的暖かい季節と言えど
肌寒くてブルッと身震いしてしまった。
途端に心細くなってしまったけれど…

お城に戻るなんて出来ない…
どんな顔をしたらいいの?

アランとレオは、私を妹だと言った…。
だとしたら お兄様は、私の兄ではないの?…

私の…思い出せない記憶と…関係があるの?…

お父様もお母様も知らない…
じゃあ、私は…どうやってシュタインに行ったの?
いつから…お兄様と…

そう言えば、前に聞いた時…お兄…ゼノ様、困った顔してた…
アルもユーリも…

妹じゃなかったとしたら…
困るのは、当然だよね…。
私…困らせちゃったんだ…

アランとレオが私の兄だとしたら…

私の名前は、セレネ=クロフォードなの?…

どうして…離れてしまったの?

どうして…私は、シュタインにいたの?…

どうして………


考えて…


やめた…。


答えなんて、出ないもの…。


馬の鬣[たてがみ]を撫で溜息をついた。
私専用の馬。
真っ白で美しい鬣が自慢の子。
賢くて、優しい目をしたこの子が好き。


「…突然走らせて、ごめんね…びっくり、したよね…」

ポソッと呟いた…

ガサッ…

突然後から 物音が聞こえて 肩が大きく跳ねた。
怖くて…恐る恐る振り返ろうとしたら…


グイッ!!!


「…きゃっ!…」


ガツッ!!


突然 腕を引っ張られて 首に衝撃を感じて


ブラックアウトした…















ガザ…ガタッ…



ギシッ…



何かの物音と近くで軋む音がして目が覚めた。



(…こ、こは…? ……私…)



ギリッ…


(…痛っ…)


目の前が暗い。手が動かせない…状況が飲み込めなくて
パニックになる自分と妙に冷静な自分がいた。


「…気がついたみたいだね?」


近くから声がした。
多分…すごく近く…


体が震える…カタカタ震えている…
心臓が壊れそう…


「ずっと、きみのこと見てたんだ…」


「…っ…だ、だっ…れ…?…」


恐怖が大きくて 言葉が上手く出ない…
目を覆われていて前が見えない…
手が縛られてて 逃げられない…
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