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【イケメン王宮】花冠

第11章 -自覚 [R-18]






パーティーでセレネを見た時 ゼノは、目を見開き驚いていた。
元々、綺麗な娘であったが 久しぶりに会ったセレネは、以前より 数段美しくなっていた。


(…成長がここまで美しくさせるとは…)


フワフワとした羽根は、目の前に妖精が舞い降りたようだった。
派手でないにもかかわらず 存在感があり 優しく微笑む顔も心地のいい声も 磨かれた 仕草も 以前よりずっと美しくなっていた。


同じ事を考えていたであろう アルの息の飲むとこが聞こえた。


自分を目にした時の 薄ら涙を浮かばせた上目遣いの瞳 染めた頬 シュタインの時は、よく飛びついてきていたが 我慢したのだろう その仕草。
一つ一つが 愛おしかった。

セレネを触った時 身体の芯が痺れるのを感じ 柄にもなく 腰を強く抱き寄せてしまった。
間近で見上げられ 涙を浮かばせられた時…


セレネを愛している と感じた。


妹としてでなく 一人の女性として…。


その後は、どうセレネを手に入れるかに考えを巡らせていた。
『兄』と思っている以上 その先に進むことは、出来ないだろう。
それを打破しても 手に入れたいと思った。

いや、元々 そう思っていたが それは、何処か 『溺愛している妹を奪われたくない』という気持ちが強かったと言えるかもしれない。
今、ここにいる自分の気持ちが 確立した以上は、誰にも手出しさせず 自分の手中に入れる必要がある。

ならば ウィスタリアのプリンセスになったことは、最善だったのだろう。
近くでは、守れなくなるが 守る方法などいくらでもある。

シュタイン王宮の者の腕が立つことは、聞いていた。
かなり出来た若輩者が国王側近とも聞いている。
どれ程のものかは、まだ分からぬが 一国のプリンセスを護るだけの 手管は、持っているだろう。

セレネの側には、自分の右腕である ユーリもいる。
ユーリがセレネを何としてでも守るのは、分かりきったことだ。
『自分以外の男』がそばにいる歯痒は、あるが 致し方ない。

ユーリに連れられ部屋に来たセレネの久々の体温や香り泣き顔や無防備な姿を目の前にして 箍が外れてしまったが 既で持ちこたえた。

後は、ゆっくり 手中に納めるだけだ…
焦らず、セレネのペースでゆっくり…



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