第8章 -ダンスレッスン
ダンスレッスンを終え ルイと別れるとそのまま ジルとお披露目パーティーのスピーチの打ち合わせをした。
人の前で話すのは、得意じゃないけれど 原稿そのまま読まなくてもいいと言われ 少し安心した。丸暗記は、得意じゃないから…
その後は、衣装合わせ。
ジルとユーリも付いていてくれ 要望を出した。
形は、エンパイアにしたのだけれど エンパイアは、基本シンプルなものが多い。
今回は、濃いブルーから淡いブルーのグラデーションにして 裾に小花とパールをあしらう事に。
背中には…ちょっとした仕掛けをすることになった。
きっと とっても素敵なドレスになると思うの!
もう 今からとっても楽しみ!!!
あのドレスが似合うプリンセスにならなきゃ!なんて意気込んでたら ジルにもユーリにもメイドさんにも笑われてしまった。
「ふふっ ドレス楽しみだなあー」
私室に戻って デザインしたドレスを思い浮かべながら 浮き足立ってぽわーとしてたら ユーリが悪戯っ子の様な笑顔で
「ドレスもいいけど セレネ様 スピーチ頑張らないとね?」
「もう!ユーリったら…が、頑張ります!」
二人して顔を見合わせクスクス笑い合った。
「なんて セレネは、いつも通りやれば大丈夫。俺が保証するよ。」
「ユーリ あまり甘やかさないで?今から甘やかされたら 気が抜けちゃうもの…」
「あははっ!そりゃそうだ。でも、俺も居るんだし 練習付き合うから頑張ろ」
いつも通りの 優しい笑顔に大きく頷いた。
「あ、セレネ様 手紙書くんだけど 何か伝えたいことある?」
手紙という言葉にピクリと反応してしまう。
「私も書いちゃダメかな? 直接伝えられないなら 手紙だけでもキチンと書きたいの…きっと凄く心配していると思うから…」
「……いいよ。きっとその方が 喜ばれるよ。直ぐにでも出したいから用意してもらってもいいかな?」
「うん!今日は、公務も終わったし 今から書くね!」
チェストから便箋を取り出し 直ぐに書き始めた。謝罪と側を離れる事の申し訳なさ 心配しないで欲しい事 マリアの事 お披露目パーティーの事 お仕事無理しないで欲しいこと 身体を大事にして欲しいことは、特に念入りに書いた。
ユーリ渡すと 直ぐに用意し始めていた。