第6章 -再会
「プリンセス専属執事のユーリだよ。よろしく!」
「あ、ぅ…ウィスタリアのプリンセスになりましたセレネです。よろしくお願いします…」
「セレネ様 俺の事は、ユーリって呼んでね!それに敬語もいらないよ♪俺も二日前にお城に来たばかりなんだ、知ってる人がいて嬉しいな」
「ハッ…ょ、よろしくね ユーリ。私もビックリしちゃった!」
動揺していたけど 持ち直してくれたみたい。
ここでバレたら水の泡だもんね。
二人のやり取りをじっと聞いていたジルたちだったが
「セレネちゃん、少しでも知り合いがいてよかったね」
「ふふっ、はい!」
「プリンセスに漸く笑顔が戻りましたね。 明日から早速 ダンスレッスンと1ヶ月後のお披露目パーティの為の衣装合わせ。スピーチの打ち合わせがありますのでお願いします。」
「はい」
「ジル様 セレネ様のこの後の予定は?」
「今日は、お疲れでしょうから 食事を取ってもらって 早めにお休みして頂くようプリンセスにも伝えてあります。私室の案内をユーリにお願いしても宜しいですか?」
「分かりました!じゃぁ セレネ様行こう!」
「う、うん。ちょっと待って。」
「「「「?」」」」
「ジル、レオ、アラン、ユーリ 今日からよろしくお願いします。」
そういい 頭を下げ笑顔を向けた。
「こちらこそプリンセスよろしくお願いします。」
「セレネちゃん宜しくね」
「…よろしく」
「セレネ様よろしくお願いします」
そう言うと ユーリに連れられ 頭を下げながらドアを閉め出ていった。
執務室には、ジルとレオそれからアランが残っている。
「何とかプリンセスにすることが出来ましたね。彼女以外には、プリンセスにふさわしい方は、いませんでしたしね。」
「ジル かなり強硬策に出たね。あの子、プリンセス選考会の事も知らなかったんでしょ」
いえ、それはどうですかね?と言いながら
ジルは、自分の椅子に腰掛け、机に肘をつくと指を絡ませた。
「それで…お二人共 如何でしたか?」
ジルが目線だけをレオとアランに向けると
アランもレオの斜め前のソファーにドカリと腰をかけた。