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【イケメン王宮】花冠

第16章 -過去との再会





お花を添えて
ひんやりとする墓石をそっと触った


「お父様、お母様…来るのが遅くなってしまってごめんなさい…。」

「三人揃って 喜んでんじゃねーか」

「漸くだな。とか父さん言いそうだね。」


三人の髪を緑の香りを纏った風が優しく吹き抜けて行く時懐かしい笑い声が聞こえた気がした。
優しさが周りつく空気の中『また来るからね』そう告げて 二人の兄に手を引かれ 両親の墓石を後にした。


「…デート公務、始めるんだってね」

「ん…。随分 お休みしてしまっていたから…仕方ないよ。」

「公務には、護衛するから。何かあったいえ…。」

「ありがとう…アラン。」

「セレネちゃんに手を出させないように頼んだよアラン。」

「俺の妹だから守の当然。」

「『俺達』の妹ね?」

「随分過保護なお兄様たちね?」

「セレネの周りは、過保護の塊だって今気がついた?」


宮廷への帰り道 何気ない そんなやり取りに喜んで笑って
笑顔になって 兄弟っていいなって感じた。
シュタインでのゼノ様たちとの生活とまた少し違う時間が流れていた。




プリンセスは、時期国王を選ぶのが最大のお役目。

プリンセスになって数ヶ月なんの気配も見せない私に
官僚たちが言い出しても仕方ない事ではあった。

ジルは、ルイを進めてきたが
セレネは、直ぐに返事をすることが出来なかった。

ルイとは、お城に戻ってから 話をすることは、あるけれど
邸宅にいたときのようなことは無い。
散歩をしたり お茶を飲んだり ダンスレッスンしてもらったり
孤児院に行ったり…前の距離に戻ったようだった。

官僚たちからは、他の人を進める動きも当然あって
ジルやレオが確認をした人たちと 公務と称した
デートをすることになった。

シュタインにいるゼノ様には、会えていない。
会いたいと思っているけれど

ユーリに聞いたら 外交や情勢で少し揉めているらしく
なかなか時間をとることが出来ないと言われた。

元々忙しい方だったけど
さらに忙しいと聞いて
体の心配は勿論
私の事で心配かけたまま会えていないことに
申し訳なさも
寂しさも感じていた。

いいこともあれば
悪いことも当然あって

一部だけれど記憶が戻って
レオとアランと距離が近くなった一方で

ゼノ様とは、距離が遠くなった気がしていた




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