第7章 hands
軽く会釈だけして俺だと気づかれないように下を向く
あー…あの時、マネージャーにワガママ言って翔くんち送って貰えばよかった…
なんて後悔していた時、体に違和感を感じた
明らかに俺の臀部辺りを弄る手のひら
え、俺今…痴漢に遭ってる…!?
その手のひらから逃れたくても周りにはたくさんの人
身動きも取れないほどで逃げれるようなスペースもない
実際、俺の体は扉に押し付けられていて両手で体を支えてるから反撃したくても出来なくてもどかしい
電車内で声を上げて痴漢に遭いました、なんて男だから恥ずかしくて言うことも出来ない
気持ち悪くて嫌だけど、降りる駅まで我慢しなきゃ…っ…
「っ、ん…っ」
割れ目の辺りを中指で強く擦られて少し漏れた声
慌てて唇を噛んで声を殺す
嫌なのにっ…気持ち悪いのに…翔くん以外の手に俺っ…なんで反応してるんだ…っ…
その間も執拗に俺のケツをやらしく撫で回して来る手が股の間をスルリと滑らせて前にまで回ってきた