第6章 渇いた心を潤して…
- 大野 side -
潤を見送ったあと、俺は明日の夕方までオフだったからおとなしく家へ帰った
二人で暮らす家に一人でいるのはとても、寂しさを助長させる
けど、外に行く気分でもないし…
あ、そうだ…描きかけの絵、続きやってしまおう…
部屋着に着替え、アトリエに籠ってキャンバスに向き合いひたすら書くことに集中した
描き終わって、ふと時計に目をやると長針と短針が重なっていた
「え、もうこんな時間…?」
潤は、まだ帰ってない…?
慌ててスマホの画面を開くが連絡も、ない
まだ仕事してるのか…
絵を描いている時には忘れられていた寂しさがまた俺の心を支配していく
「はぁ…仕方ない、風呂入って寝よ…」
起きていたら寂しさに辛くなりそうだったから、さっさと寝ることにした
さっとシャワーを浴びて、一人ベッドに寝転ぶ
いつも一緒に寝るベッドからは潤の匂いがする
潤が使っている枕を抱きしめると、抱きしめられているような感覚に陥った
早く、本当に俺のこと抱きしめてくれよ…
「…早く帰って来いって…言ったのに…ばか…」
枕を抱きしめたまま、夢の中へと落ちていった