第5章 教訓「口は災いの元」
- 松本 side -
雅紀のマンションに着いてエレベーターへと乗り込む
着くまでにもう一度返事がないかスマホを見るも未だに既読も付いてない
どっか行ったのか…?
合鍵で部屋に入ると雅紀の靴が乱雑に脱ぎ捨てられていた
「も〜…いつもちゃんとしろって言ってるのに…」
文句を言いながらも雅紀がいることを知った俺の口元は緩んだ
リビングに入ると
「うわっ…酒くさっ…」
部屋中に立罩めるアルコール臭
そんな中、ソファで眠る雅紀
体を丸めて自分を抱きながらすやすやと眠っていた
めずらしいな、1人で酒飲むなんて…
でもさすがにここで寝るのはダメだろ…
体を揺すって起こす
「雅紀、雅紀…」
何度か呼んだあとゆっくり目が開いた
「まつ、じゅ…?」
なぜか潤んだ瞳
よく顔を見ると頬に涙の跡が見えた
「え?雅紀…泣いてたの…?」
「松潤…っ、俺のこと、捨れなひで…っ」
下から伸びてきた手に引かれてソファに体を降ろさせられると力一杯抱きしめられる