第5章 教訓「口は災いの元」
- 相葉 side -
「松潤のぶぁーか…っ」
1人ソファの上で恋人に対する憎まれ口を叩く俺
テーブルの上のビールの空き缶が5本目に達した時にはもうそうでもしないとやってられない気分になっていた
「なんれ連絡もないんだよ〜…っ」
スマホを見つめるも通知は一切入ってこない
本当に、俺のこともう…
「いやら〜っ!松潤に捨てられるのいやら…」
自分で口にしたと言うのに、それでさらに悲しくなってくる
じわりと滲んだ涙が頬を伝っていく
伝った涙を指で拭うとソファに寝転がり体を丸める
寒いよぉ…いつもならこんな時真っ先にブランケット掛けてくれる松潤がすぐそこにいるはずなのに……
体に回ったアルコールでそのまま俺はそこで寝おちてしまった
スマホが通知音を鳴らしたのも気付かずに…
「ま…さき……」
ん…?誰かの呼ぶ声?
「まさき……」
ゆっくり体が揺れて優しい声で俺の名前を呼ぶ声がする
低くてかっこいいこの声……
「まつ、じゅ…?」
ゆっくり目を開けると穏やかな表情で覗き込む松潤がいた