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台風のちに快晴、そして虹 【気象系BL】

第28章 秋の夜長に春ひとつ



開店させるとあっという間に座席は埋まって

「ラーメン、1つ!」
「こっちは3つねー」
「は、はいっ」

急に降って湧いた忙しさに
お袋さんと2人でオーダーを取って

「大野さん、お願いしますっ」

厨房で大野さんのサポートをしながら
なんとか…待たせることなくラーメンを出せた

1人、また1人と目の前のラーメンを
食べていくのを見つめる

どんな反応がくるか、どきどきはらはらしてたけど
みんなひと口食べるなり頬が緩んでいくのを見て胸を撫で下ろした

笑顔で食べる大勢のお客さんの姿が
昔の店内の風景と重なって

「…なんだか、この雰囲気…
 ……お父さんが、いた頃みたい…」
「ほんとだね…」

お袋さんのこんな嬉しそうな顔…

雅紀にまた、感謝だな…
今度スイーツバイキングでも奢るか



「旨かったよ、また来るね」
「ありがとうございましたーっ」

賑やかだった店内も
最後のお客さんを見送って
暖簾を取り込んだ

「かずちゃん、さとちゃん…お疲れ様」
「おばちゃんこそ、お疲れ様。体は平気?」
「こんなに賑やかなの嬉しくて。
 逆に元気になっちゃったわ、私」
「無理するとまた体壊すから、
 程々にしてよね?」

嬉しい悲鳴の余韻に談笑しながら
みんなで遅めの昼食を取った





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