第27章 感謝感激Love嵐ーDear.Jー
…はぁ……最悪………
よれよれの体を支えられながら船をなんとか降りて
抑えておいたコテージに入るとすぐソファに沈んだ
「智くん、何作るの?」
「ん〜…まちゅじゅんの好物…」
「じゃ、カニクリームコロッケ?」
キッチンから聞こえる翔くん達の声をもやのかかった頭で聞いていたら、ラグしか映っていなかった視界に水の入ったグラスが見えた
「飲める?」
隣に腰かけた潤くんからグラスを受け取って、流し込んだ
気持ち悪さに顔はあげられないけど、気配でわかる
穴が空くほど見つめる潤くんの視線を感じる
「ニノ…?大丈夫?まだ気持ち悪い?」
グラスを俺の手からすっと優しく外されて
視線を向けると心配で揺れる瞳に俺が映っていた
この人を喜ばせるために企画したことなのに。
そんな顔をさせたかったんじゃねーのに…。
あの酔い止め、もうダメだな…
「ね、気持ち悪いなら横になった方がいいんじゃない?」
「いや、へーき…」
これ以上心配させまいと断ると
「じゃあ」
力無く垂れてた肩がゆっくり引き寄せられる
「寄りかかるだけでも、楽になるでしょ?」
何気ない行動に体も、気持ちも、楽になる
ホント…この人のこういうとこ…
………好きだわ