第26章 Rush around
しどろもどろになりながら話し終えたあと、
BGMも消えた店内は静寂が包み込んでいて
ち、沈黙が長い…
視線をあげられないまま、昌宏さんの言葉を固唾を飲んで待ってると
「…それだけか?」
静かな店にドスの効いた声が響いて体が強張る
「…全部話せ。俺に後ろめたいこと、あんだろ?」
スッと差し出されたスマホの画面
そこにはホテルから出てきた俺と潤が映ってて…
「涼介が見かけたんだってよ。これ…お前だよな?」
隠したままでやりすごしたかったけど…
もう、ダメだ…
意を決して、大きく息を吸って、吐いて。
何回かそれを繰り返して固唾を飲んでからゆっくり話し始めた
最初はファンで声を掛けたこと、
昌宏さんが仕事の忙しさからかまってくれなくて寂しさから潤とセックスしてしまったこと、
少しの期間、お付き合いもしたこと…
でも俺が好きなのは昌宏さんだっていうこと…
そして心はずっと、寂しかったこと…
「…ごめんなさい……」
最後に謝罪の言葉を告げて
ゆっくり、顔を上げると強面の表情が張り付いたまま腕組みをしていた昌宏さんがため息をついた
「確かにお前をほったらかしにしてた俺も悪いが…だからといって。俺以外の男に抱かれるとか…」
「本当に…ごめんなさい……」
ゆっくり目を閉じていく昌宏さんにもう一度謝った