第26章 Rush around
少し強めに2人を見つめると
苦笑いしながら入ってきて
ロボットのような
ぎこちない動きでゆっくり、
正面に腰かけた
「…智くん、かず?」
「…そんなに睨むなよぉ…
トイレから戻ってきて入ろうとしたら、
おっぱじめようとしてたとこだっただけだろ…」
瞬間、顔に熱が集まる
「おっぱ…じめようとしてねぇしっ」
あまりの恥ずかしさに
勢いよく出た声はだんだん小さくなって
語尾はほとんど聞き取れないほどだった
「なんかなぁ…不思議だな」
俯く俺の耳にのんびりとした
柔らかな智くんの声が届く
「あんなに賭けのことで
怖いだのなんだの…
言ってたノンケの翔が
潤のモノになった、てのが、
不思議だなあ、って。」
それ、俺の方が不思議だよ…
ずっと、友達として隣にいて。
馬鹿やってきた潤とそうなるなんて、
全く想像してなかったし…
「そう?ボクはそうは思わなかったよ?」
やけにはっきりと告げたかずの顔を見つめる
「ボクは長いことみんなと離れてたし、
3人がどんな風に過ごしてきたかって、
話聞いただけでしか知らなかったけど。
その話の中に、答え…あったよ?」
にっこりと柔らかく微笑んで
俺たちひとりひとりを視界に納めながら、
かずはまた口を開いた