第26章 Rush around
「賭けに乗った翔が悪いんじゃん」
テーブルに頬を擦り付けたままの俺に
おっとりした、でも的確な言葉が
容赦なく突き刺さる
「もぉ、さとぼ〜…そんな冷たい言い方…」
「だって、ホントだし」
この前のこと、まだ根に持ってるのか
今日はやけに冷たいな…(´・ω・`)
テーブルのひんやりと同じくらい、
冷たいよ智くん…(^^;)
「だって智くんどノーマルだったじゃん…
さすがに男だって知ったら
百年の恋も冷めるかなぁ…と」
ちょろっと視線だけ上げて智くんを見る
「んなもん、関係なかったし」
「そんなもの?」
「好きな人がたまたま男だったってだけだし」
ドヤァ…と音がしそうなほどの
ドヤ顔の智くんはかずの肩を抱いて嬉しそう
「ボクからアドバイスするとしたら…」
「えっ!なになにっ??」
ガバッと上半身を起こして
優しい天使にずいっと詰め寄る
「さとぼ〜を試すようなことしたボクが
言うのもなんだけどさ?」
「うんうん」
「潤くんに、任せるしかないんじゃない?
痛いことはしないだろうし…
賭けに負けたのは負けたんだしさ?
逃げ回ってるわけにもいかないでしょ?
これからも、ずっと…
顔合わせるんだからさ…」
「それってアドバイスじゃなくて、
ただの正論じゃんかよぉ〜…(><)」
起こした体が再び
テーブルに引き寄せられていく
まぁ、確かにそうなんだけど…
「…腹括れ、翔?」
テーブルの端に置いてたスマホが
すっと差し出される
「潤のやつ、翔に避けられて…
傷ついてるかもしんねぇしさ。
ちゃんと、向き合え?んで…
やっぱり無理なら、無理って謝れ」
俺自身の気持ちでいっぱいいっぱいだったけど、
潤の気持ち、考えてなかった…
約束、無碍にされて怒ってる、かな……
「…わ、わかったよ…」
重い体をゆっくり正すと、
スマホのロックを解除した