第25章 ♡のQueenは♢もお好き
「えいっ!」
意を決して引いたカードは…
憎らしいジョーカー_| ̄|○
「ふはっ…相変わらず弱いな智」
「う、う、うるせぃっ」
ちゃかちゃか、手元で
たった2枚のカードを混ぜる
「はい、かずちゃん…」
平行にして一枚ずつ
右手にジョーカー
左手に♢のクイーン
「どっちかなぁ〜…」
ずいっと突き出したカード
じいっと見比べて
ちょっとだけ悩んだあと
選んだのはジョーカーで
「あー…まただ」
ちょっとだけ頬を緩ませて見てると
ぷくって可愛くほっぺを膨らませてる
負けたくもないけど
かずちゃんが負けるのも気が引けてきた…
ジョーカーが行ったり来たりを繰り返したあと
かずちゃんの手元には
憎らしい微笑みを浮かべるジョーカーが残った
「っしゃ、俺の勝ち♪」
「あ~あ…負けちゃった~…」
「まさか智が勝つとは…」
「ごめんね?かずちゃん…」
「んーん?負けは負けだもん」
勝負が決着ついて
再開した男子会と言う名の宴会
なかなか勝てないババ抜きに勝って
少し気を良くした俺は
ハイペースで飲んで食べてを繰り返して
気づけばテーブルに倒れこんでいた