第25章 ♡のQueenは♢もお好き
日の落ちかけた暗がりの中
歩いていく小さな人影と大きな人影
甘い雰囲気に満たされた中
2つの影はそれに臆することなく
どんどん前へと進んでいく
追いついた大きな人影が
小さな人影を引き止めてる
痴話喧嘩?
それか…ここでヤろうとして
拒否られた男が彼女のご機嫌取ってんのか?
何かを話しているようだけど
遠くて聞き取れない
やりとりしたあと、また動き始めた人影
「あいつしつこいなぁ…」
気づけばその人影から目が離せなくなっていて
また追いついた大きなやつが
小さいやつを振り返らせた時
俺の想像とは逆に
上から下に振り下ろされた手が
乾いた音を響かせた
女叩くとか腐った男だな…
フレームアウトしていったやつに
不快感を覚えていたら感じた視線
残された影がどんどんこちらに近づいてきて
慌てて視線を外すけど
こちらに向かって歩いてくるのが見える
嘘…なんでこっちくんだよっ…
慌てて地面に視線を落とした