第25章 ♡のQueenは♢もお好き
「噴水のある公園ってどこにあるっ?」
「噴水?」
「課題の条件なんだよっ」
「日比谷とかあったんじゃねーかな?」
今になって感じる後悔に焦りが乗っかって、早口で訊ねた俺にやけに冷静な潤が教えてくれた名称を調べる
スマホには大きな噴水の画像が出て、最大のシンボルって載ってる
「来週…どうする?」
「…何時にどこ?」
「19時に、ここ」
「…行く」
一週間もあれば本気出せばなんとかなんだろ
雫が滴るジョッキの中身を飲み干すとやけに不敵な笑みを浮かべる潤
「カズを取られるの、そんなにやだ?」
「やだよ!俺が一番かずちゃんのこと、
愛してるんだからなっ!」
20年近く想い続けてる俺の気持ちが一番大きいに決まってる
「財力は俺が一番だけどな」
「そ、そんなの愛でなんとかしてやるっ」
「なんとかなるもんかねぇ…?」
不敵な笑みがいやらしー顔に見えてきて
やな予感がする…
「…ふふふ♡」
やらしー声まで漏れてきて…
こいつ、頭ん中でかずちゃんと
あんなことやこんなこと…
想像してやがるな…o(`ω´ )o
「潤、ほら…今日もやるぞ?」
ムカつく笑いを止めたくて
鞄からトランプを取り出す
いつだったか始まった〝ババ抜き〟
今や男子会の時のお決まりごとで
負けたやつが全額支払うってなってる
「今日は俺が勝つっ!」
「俺相手で勝てるかな〜?」
「「いざ、勝負っ!!」」