第24章 愛し、愛され
『もしも~し…お二人さん?』
寝室に広がってたお花畑が散っていく
あま~い雰囲気をぶち壊した
松潤の言葉に強かった翔くんの香りが薄まった
「なんだよ…もう」
もっと翔くんとひっついてたかったのに…
さっさと切っとけばよかった…
『甘い時間のとこ、申し訳ないんだけど』
「だから…なんだよ?」
『…キャンディ、舐め終わった?』
「俺は…もうないよ。翔くんは?」
「俺ももうない…」
…?今の会話で笑うところ、あったか…?
スマホから漏れた微笑に違和感を感じるけど
その違和感の正体はわからない
『そぉ…舐め終わったんだね?』
「…!松潤…もしか、し…て…?」
何かを悟ったのか翔くんが包み紙の残骸を手に取る
読めんのかな…書いてる内容
…翔くんなら読めるか
『ふふ…気づいちゃった?つまんね~の…』
「おまっ…これ!つまんないとかじゃねーだろぉ…」
「え?なに?なんなの??」
わかんない俺を置いてけぼりに進んでいく話
なんとか食らいつこうと訊ねる
「ねぇ?松潤がさっき笑ったのと関係あんの?」
「…大あり、だよぉ……」
かっくん、て音が鳴りそうなくらい
いつも以上に角度がついた肩に首をひねる
キャンディ舐め終わっただけで
笑う要素なんかないじゃん~…
「…あ!これで解毒完了したねって安堵の笑み?」
『ふはっ…大野さんそれマジで言ってる?』
『大野くん鈍すぎでしょ…』
必死に頭回転させて思いついたのに
返ってきた斗真の笑い声にムッとした
「鈍いってなんだよぉ!もう‼」
『…はははっ…翔くん?教えてあげなよ』
黙り込んでる翔くんは握りしめてた包み紙を
両手で広げて俺に突き付けてきた
ピンクの紙に読めない英語の文面―…
穴が開くほど見つめるけど
「……読めない…………」
「…~…///だよ、ね…」