第24章 愛し、愛され
「お、俺の趣味とかじゃなくて!
松潤がさ!押し付けてきたから…」
『…驚きはしてたけど、
満更でもない顔してたくせに』
「うるせぇっ…松潤黙ってろっ」
邪魔すんじゃねぇっ
転がしてるスマホに向かって言う俺を見る
翔くんはちょっと呆れてるよう…?
…う~…どうすれば正解だったんだよぉ…
誤魔化すのはぜってぇダメだし……
「智くん?」
「は、はい…」
説教されるかと反射的に俯く
「智くんは、これ使いたいの?
…それとも使いたくないの?」
「…ぅえっ…?」
「だから…!
智くんの本心はどうなのかって…
聞いてるんだよ…/////」
顔を上げると真っ赤でかわいい顔した翔くんがいて
「……つ、…使って……みてぇ…」
「…はじめっからそういえばいいのに…///」
咄嗟に出た本音のあと、
引き寄せられて大好きな人の香りに包まれた
「俺のことを想って大事にしてくれたりさ…
気を使ってくれる智くんも、大好きだよ?
でも…俺にはいつも、正直でいて…?
俺も…智くんの前では正直で、いたいから」
空いてた両手を背中に回して抱きしめる
俺のこと一番わかってくれてて…
怒りもしないで、可愛く言う翔くんを
いっぱい、いっぱい抱きしめる
俺…背伸びしすぎてたんかな……
翔くんの前でかっこいいやつでいたいって…
仕事じゃさ…翔くんに頼りっぱなしだから
恋人の時くらい…
甘やかしてあげられるような男でいたいって…
思ってたけど
そんなん…ほんとの俺じゃねーもんな…
「ごめんね翔くん…
俺、恋人の時くらい、
かっこよくしてたいって…
翔くんのこと…甘やかしてやりたいって、
思ってて…だから…」
「うん…わかってるよ?
でも俺…自然体な智くんが一番好きだから…
これからは、変に気を使わないで?」
「…翔…くん………」
「…ごめんね。そして…ありがとう…」
素直な気持ちを言葉に乗せると
どちらからともなく抱きしめる手に力が入る
翔くんの耳元で囁くころにはもう、
キャンディは全部溶けてた