第24章 愛し、愛され
『気づいた?あれエッチな気分を高める薬入り♡』
半信半疑で問いかけた言葉に
納得のいく答えが返ってきて
不思議だったものが全部スッキリした
無茶苦茶に抱いたことも、
〝for mountain〟の意味も、
ニノが侑李にワイン飲ませなかったのも…
「…はぁ」
『…もしかして、怒ってんの?』
「いや…」
むしろ、逆。
翔くんのためにしてくれてたんだから
感謝の気持ちだよ…
「ありがとな、松潤」
『どういたしまして♪』
斗真の笑う声も聞こえる
俺たち、いい仲間に恵まれたな
チラリと振り返ると
「んふふ…さと…」
聞こえた可愛い寝言
呟いた恋人の頬を撫でるとまた頬が緩んだ
眠る翔くんの邪魔しないようにしないと…
「悪い、松潤…もう電話切るぞ?」
『ちょ、ちょっと待って‼︎』
スマホから耳を外すとまた聞こえた声に
仕方なしに戻す
『大野さん…体、なんともない?』
「…??俺は、なんとも……」
むしろスッキリした壮快感を感じるくらい
『あれ?ほんと??』
おっかしーなーって大きな声が続く
「おかしい、ってなんだよ?」
『いや、その……』
やけに歯切れの悪い言い方にちょっとイラつく
「なんだよ?言えよ…」
『入れた薬、さ…副作用があるってさっき知って』
「…え⁉︎副作用⁉︎」
慌てる俺とは逆に松潤は落ち着いてて
ゆっくり息を吸って吐く声が聞こえた
『大丈夫、安心して?
解毒作用のもの大野さん持ってるし』
…?なんだそれ???
『俺がこの前渡した袋あるでしょ?
その中にキャンディがあるから
翔くんと2人でそれ舐めて?
それで大丈夫だから』
スマホをスピーカーに変えて
ベッド下に隠してある袋を引っ張り出して
紫のリボンを慌てて解く
アダルトグッズのものの中に紛れた
可愛くラッピングされた小袋
開けるとショッキングピンクの
包み紙のキャンディ
…ローマ字で書いてあるけどなんて読むんだ?
『あった?早く、それ舐めて』
一個、口の中に放り込んで眠る翔くんをゆり起こす
「翔くん、翔くん起きて!」
「…さと……?ど、したの…?」
おっきな目をパチクリさせてる翔くんの口にも
キャンディを突っ込む
「ごめんね、翔くん!これで大丈夫らしいから!」
「な、なにが?」
『噛んだらダメだよ?』