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台風のちに快晴、そして虹 【気象系BL】

第24章 愛し、愛され



- 大野 side -

「…ん………?」

ベッドにしては柔らかい感触を感じる

意識が回復して体を起こすと
柔らかな感触のものの正体が翔くんの体で

…え?どうなって…?

記憶を引き出そうと起きたばかりの頭を働かせる

昨日、翔くんの誕生日パーティをしてて…
後輩たちが翔くんを囲んでて、苛ついて………

翔くんが泣きそうな顔で姿を消してから
ニノに…耳元で諭されて………

翔くんが我慢してたなんて気づかなくて、
情けないって感じて……

謝ったら許してくれて
涙目の翔くんと乾杯したところまでは…
………覚えてる

そっから、俺…どうした?

えっと…安堵したあと…

斗真がやけにワイン勧めてきて…



ワイン飲みまくった…?


うん、飲んでたな…


………そこから、思い出せない…


思い出せない、けど。


今見てわかるのは…


繋がったままの…体………
深く眠る、翔くん………


え、俺翔くんむちゃくちゃにした…⁉


ソファにぐったりして眠る翔くんの頬に触れる

「…ん………」

意識が戻った翔くんの大きな瞳がゆっくり開く

「しょ、く…」
「…?智、く…?」

視点の合わない目で俺だと気づいた…?

「…だ…すき……」

表情はすごく穏やかで
柔らかい微笑みで…

ちっさな声でそれだけ言うと
瞼が閉じた

翔くん…怒ってない、のか
それどころか…

満足そうに…笑ってる


それだけで感じた罪悪感は薄らいで

深く眠ろうとしている翔くんから抜け出ると
コポリ、と音を立てて溢れてきた白濁

それは昨日のことを明確に教えてくれて
体の奥で小さな火種が疼いたのを誤魔化す

本能で俺はこんなに翔くんを…
俺も、我慢しすぎたのがよくなかった、のかな…

汗に白濁にまみれた翔くんは
濡れタオルで拭いていっても起きる気配はない

あちこちに残した無数の赤い痕は
どうやっても今すぐ拭うことはできなくて

服を着せて隠した

翔くんをベッドに運ぶと
急に襲ってきた程よい疲労感

気持ちよさそうに眠る翔くんの隣に
横になると意識が微睡んでいく

起きたら…今度は、もっと翔くんと
ちゃんと…会話…しよう……

松潤に渡されたあれも…
言わない、と………

考えながら引き込まれる睡魔に飲み込まれていった



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