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台風のちに快晴、そして虹 【気象系BL】

第24章 愛し、愛され




「う、わっ…」

前に倒れこみそうなのを慌ててバランスを取る

なんとか智くんの前で止まって背後を見ると
俺を押した張本人はなぜか怪しげに微笑んでた

隣に立つニノも、相葉くんも
なぜか同じくらい怪しげに微笑んでて

…なんだ?
なんでそんな顔…?
さっき言った頃合い、っていうのもなんだろ…?

「…っ、はぁ…はぁっ…」

急に聞こえた荒い息

振り返るとセーターの胸元を掴んで
肩で息をしてる智くん

顔は赤らんで額からは汗が吹き出してる

「大丈…ぶっ!?」

空いた腕で急に体を引かれて
ソファに体を押さえつけられた

苦しそうに何かを我慢してる顔つきの智くんは
俺に被さってきてはそこで止まる

何…?何が起こってるの…?

わけがわからない状態だから体も動かなくて

ただ唇を噛み締めて自分の体を抱き締めてる
智くんを見つめるしかできない

「ふー…っ、ふぅーー…っ」

荒ぶる息を吐く智くんの背後に4人の姿

くすり、と笑みを浮かべながら見下ろされる

なんなんだ…?みんなはこうなってること、
何かわかってるの…?

「大野くん、結構我慢強いね?」
「ホント…あれだけ飲んだのにね」
「おじさん…もう理性取っ払っていいんですよ?」
「おーちゃん…苦しい?」

背中をするりと撫でられた智くんは
ビクンて大きく揺れて
噛み締めた唇の隙間から
ぐぅ…って少しくぐもった声が漏れた

「あれ、もしかしてイッた…?」
「そうかも。今かなり敏感になってるだろうし」

今の相葉くんと松潤の会話と、
さっきの4人の話でようやく理解する

「ワインに…なにか盛った……?」
「…やっと気づいた?これ、催淫誘発剤入り♪」

確認するように聞いた俺に見せられるワインのボトル

松潤が持ってきたワイン…

くるりと揺れたそれからは
ちゃぽん、て中身が残ってる音がした

「翔くんのご希望を叶えるために、ね」
「おじさん、翔ちゃんの気持ち理解しても
ある程度我慢すると思ったんでね?
潤くんに用意してもらったんです」

にっこり微笑む2人の手前でまだ苦しげにしている智くん

こういう形は本意じゃないけど…

松潤に手を伸ばしてワインボトルを受け取り
中身を飲み干す

「智くん…シて?」

熱い体を抱き締めてる智くんの頬に触れて
キスをするとやっと最後の我慢を取り払ってくれた



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