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台風のちに快晴、そして虹 【気象系BL】

第24章 愛し、愛され




和やかに笑ってたのもつかの間
俺と智くんのグラスにワインが注がれる

「ほら、もっと飲んで飲んで♡」
「おーちゃん、いい飲みっぷり♡」
「翔ちゃんも、はい」
「ほら翔くん?大野くんはあんなに飲んでるよ?」

みんなやけにテンションが高い

勧められるままに飲むけど、
どうしてそんなにテンション高いんだ…?

その高いテンションに引っ張られて
智くんはグラスを空けては注がれ、
それをまた空けて、を続けてた

ふにゃふにゃの表情で楽しそうに飲んでるけど、
大丈夫かなぁ…

フルーティで甘めのワインは飲みやすい分、
悪酔いしないか不安になってくる

俺の心配をよそに、智くんは飲み続けて
松潤の持ってきたワインも3本目を空けていた

「智く…」
「翔ちゃん、止めないで」

明らかに飲みすぎなのを止めようとしたら
ニノに遮られる

「どうして…?」
「翔くんの、望みを叶えるため」

ニノに問いかけた言葉は松潤に返された

「翔くんの、望みはなんだっけ?」
「…え?」

え、と…なんだったっけ?

今日、パーティが始まってから
目まぐるしく動いた感情に
本来の目的なんかどこか遠くへ行ってて

…全然思い出せない

「おーちゃんに愛されたい、じゃないの?」

智くんの側にいた相葉くんが俺の方へやってきた

…そういえば、そんなこと望んでたっけ。

「なぜポカンとしてるんです??」

ごめん、ニノ…
その相談してたこと、
すっかり忘れてたσ^_^;

さっきまでもう気持ちはどん底にいてたからさ
智くんに嫌われたかもって。

そうじゃないってわかったらもう
ホッとした以外の気持ちなんてなかったから…

体もたくさん愛して欲しい、なんて
ワガママで贅沢だった、よね

「贅沢じゃないよ?叶うよ、もうすぐ」

俺の気持ちを読めるのか、投げかけられた
松潤の言葉に頭の中は『?』が並ぶ

智くん、酔っ払うと寝ちゃうよ?
なんで叶う、になるんだろ…??

斗真に勧められるままにグイグイ飲んでる智くん
その様子をぼんやり見つめてると

どんどん目が虚ろになりはじめる

そうなるともう夢の中へと誘われるのは
いつものこと

あ〜…もう寝ちゃうなぁ

手元のワインを全部飲み干すと

「もう、頃合い…かな」

トンッと軽く背中を押されて
智くんの目の前に俺の体は躍り出た


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