第24章 愛し、愛され
- 櫻井 side -
「アニキぃ〜♡」
「翔く〜ん…♡」
「俺も〜…」
男2人に羽交い締めのように
両サイドから抱きしめられてたら
やってきた風磨が背後からぎゅって抱きついてくる
こ、こいつら…っ!やりすぎだろっ
でも力が強すぎて振り払うこともできない
助けを求めて視線を智くんに向けるけど、
見えたのは背中とたまに見せる横顔だけで
隣の知念と穏やかに会話してる…
「翔、ちゃん?」
俯く俺に1人のんびりしてた相葉くんが声を掛けてくれた
智くん、助けてもくれないし
こっちも見てくれないってことは…
呆れちゃったのかな…
頬にキスされたけど…俺の、本意じゃないのに…
俺が好きなの、智くんだけなのに…
「アニキ…?」
「え、翔くんどうしたの…?」
「翔ちゃん、酔った?少し休も?」
俺に絡みつく男たちの腕が解かれて
リビングから連れ出された
視線の端に智くんの視線が見えた気がするけど
顔を上げられなかった
「…だいじょぶ?」
優しく声掛けてくれる相葉くん
静かに頷くだけで精一杯だった
今、言葉を出したら一緒に涙まで出てしまいそうだったから…
俺の背中を優しくさすってくれる相葉くんの顔を見ようと少し顔を上げる
洗面台の鏡に映った顔は情けない顔をしていた
なんでこんなことになったんだっけ…
あ、そっか…
俺が智くんを試すようなこと…
企んだりしたから、か…
これじゃ、智くんの我慢を取っ払うどころか…
もう………
じわっと出てきたものを両手で擦って拭う
「翔ちゃん…だいじょぶだよ?
おーちゃん、きっと拗ねてるだけだよ…」
「そうですよ?あの人…中身子供のくせに
翔ちゃんの前で無理して大人ぶってるだけですから」
智くんと飲んでたはずのニノも来て
背中にもう1つの手が添えられて撫でられた
「さ、戻りましょ?」
小さく、顔を横に振る
まだ戻れない…
また溢れてしまいそうだから…
「大丈夫、おじさんは怒ってません」
やけに自信に満ちた声の方を向く
「嫉妬してるのを我慢してるだけです」
にっこり。
優しく微笑まれて力の抜けた体をリビングへと誘導されて
智くんの顔は見れそうもないからリビングを見る
そこにまっすーとかは居なくて
メンバーと、斗真だけになっていた